医薬

Adlyxin(lixisenatide):2型糖尿病の新薬にFDA承認

Sanofi社は本日、成人患者を対象とした2型糖尿病の治療薬としてAdlyxin (lixisenatide)のFDA承認を得たことを発表しました。


 
2型糖尿病を抱える成人を対象に、食事や運動の補助として用いるGLP-1受容体作動薬(注射薬)です。1日1回、食事の時間に投与します。


「目標の血糖値に到達するために日々努力している人々の困難に対処する上で、今回のAdlyxinは大きな一歩となるしょう。基礎インスリン療法basal insulinで糖尿病を抑制できない場合に、同薬を活用できる可能性があります。」とサノフィ社のPeter Guenterは話します。


今回のAdlyxin 承認は、FDAの要求によるCV安全性の提示に成功したGetGoal 臨床プログラムの結果に基づくものです。GetGoal臨床プログラムでは、世界中の糖尿病患者5000名を対象に13件の臨床試験を行い、2型糖尿病の成人患者に対するlixisenatide の安全性と有効性を評価しました。GetGoalプログラムの全試験でHbA1c低下のプライマリーエンドポイントに達しました。Adlyxin投与による最も一般的な副作用は吐き気、低血糖、嘔吐でした。

Purixan:メルカプトプリンの経口懸濁液が誕生

メルカプトプリン(mercaptopurine)の経口懸濁液Purixan(NOVA Laboratories Limited)がFDAにより承認されました。メルカプトプリンは20mg/mlの経口懸濁液です。Purixanは急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia;ALL)に対する併用療法で使用されます。



メルカプトプリンは維持療法で有効であり、ALL患者の生存率を改善させることが臨床試験により明らかになりました。メルカプトプリンは1953年に50mg錠剤として承認され、それ以降は59mg錠剤での販売のみが行われてきました。ALL小児患者の体重は年齢により大きく異なるため、50mgの錠剤のみでは不十分です。体表面積をもとに投与量を決める場合、50mg錠剤のみでは十分に対応できません。6歳未満の小児を対象とした場合、錠剤は適切な投与法ではありません。そのため、一般的には薬局で調剤されたものが使用されます。または、50mg錠剤を割って適切な投与量に調節します。



さまざまな体重の子供を対象とした場合、一貫した投与スケジュールに沿って適切な投与量を確保する上では、懸濁液が錠剤よりも利便性で優れています。懸濁液を使用すれば投与量の調節に柔軟に対応できるからです。懸濁液が商用に製造されれば、特定用量に調合された製剤の場合よりも、投与量で一貫性の高い6-メルカプトプリンの提供が可能になると考えられます。



今回の承認は健康な成人を対象にプリネトール錠剤バージョンのメルカプトプリンの生物学的同等性(bioequivalence)と、経口懸濁液バージョンのメルカプトプリンの生物学的同等性を評価した1件の臨床試験結果に基づきます。



多剤併用療法におけるメルカプトプリンの開始用量は1日1回1.5~2.5mg/kg(50~75mg/m2)です。メルカプトプリン開始後に適切な投与を継続する上では、(希望レベルのANCを維持するために)十分な薬物暴露を確保しながら過剰な血液学的毒性を調整するため、好中球の絶対数(absolute neutrophil count;ANC)と血小板数を定期的に測定する必要があります。



薬剤または医療機器関連の重篤な副作用が生じた場合、医療従事者はFDAのMedWatch Reporting Systemにその事実を報告しなければなりません。

Cyramza(ラムシムマブ)

FDAは本日、進行性胃癌や食道胃接合部腺癌(gastroesophageal junction adenocarcinoma)の治療薬 Cyramza (ramucirumab;ラムシムマブ)を承認しました。


胃の内膜に生じる胃癌は、高齢者に生じやすい疾患です。国立がん研究所の報告によれば、今年は米国で22,220人が胃癌と診断され、10.990人が同疾患により死亡するとされています。


Cyramzaは腫瘍への血液供給を妨げる血管新生阻害剤( angiogenesis inhibitor )であり、外科手術で癌を摘出できない場合や、フルオロピリミジン(fluoropyrimidine)およびプラチナ製剤投与後に癌が転移した場合(metastatic)に使用します。


米国における癌の罹患率は過去40年間で減少していますが、従来の治療法に反応しない患者もいることから、新たな治療選択肢が常に必要とされています。Cyramzaは患者の寿命を延ばし、腫瘍の増殖を減速させるための新たな治療オプションです。


Cyramzaの安全性と有効性は、転移性胃癌や食道胃接合部腺癌の患者355名を対象とした臨床試験で評価されました。被験者の3分の2がCyramzaの投与を受け、残りがプラセボ群となりました。試験の主な目的は被験者の生存期間を測定することです。


その結果、Cyramza投与群では平均生存期間が5.2ヶ月延長し、プラセボ群では3.8ヶ月延長しました。さらに、Cyramza群ではプラセボ群と比べて腫瘍の増殖が遅くなりました。パクリタキセル+Cyramza併用投与 対 パクリタキセル単独投与の有効性を評価した二次試験でも、生存期間の改善が明らかになりました。


試験中に確認されたCyramza関連の主な副作用は、下痢と高血圧です。


Cyramzaはイーライ・リリー社が製造販売します。

FDAがByvalsonを承認

 

β遮断薬(beta blockerBB)とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin II receptor blockerARB)の混合薬Byvalson (nebivololvalsartan)5 mg/80 mg錠剤が、高血圧の治療薬としてFDAによって承認しました。

 

 

Byvalsonは血管を弛緩させて血圧を下げる薬です。

 

 

小児に対しての安全性と有効性は明らかになっていません。

 

 

次の症状を呈する患者はByvalsonを服用できない

 

-低心拍数(重度の徐脈bradycardia)

-2度および3度の房室ブロックheart block that is greater than the 1st degree

-最近悪化した心不全の症状を呈する者や、血液循環(非代償性心不全decompensated cardiac failure)を改善するために入院した者や特定の治療を必要とする者

-have a certain heart condition called 洞不全症候群sick sinus syndromeという心疾患(ペースメーカー植え込みpermanent pacemaker患者を除く)

-重度の肝障害

-nebivololvalsartanなどに対するアレルギー反応

- aliskerin という医薬品を服用している者や、糖尿病を呈する者

 

 

Byvalsonの副作用

 

-低血圧

-胸痛心と臓発作(心筋梗塞)の悪化

-糖尿病を呈する場合には、低血糖の兆候である心臓のドキドキが生じないことがある

-甲状腺機能が亢進している場合には、血液中における過剰な甲状腺ホルモンを示す兆候(頻脈など)が生じないことがある。Byvalsonの服用を急に止めると、血液中の過剰な甲状腺ホルモンによる症状がさらに悪化して致命的となる。

-下肢への血流の低下

-腎障害

-致命的なアレルギー反応

-血液中のカリウム量の増加

-徐脈

 

 

Byvalsonの成分は?

 

活性成分: Nebivololは塩酸塩hydrochloride saltValsartanで構成されます。

非活性成分: ラクトース一水和物Lactose monohydrate、微結晶性セルロースmicrocrystalline cellulose、コポピドンcopovidone, クロスカルメロースナトリウムcroscarmellose sodium、コロイド状二酸化ケイ素colloidal silicon dioxide、ステアリン酸マグネシウムmagnesium stearate、タルク、酸化鉄ferric oxide、はいプロ目ロースhypromellose、ポリソルベート80Opadry® II Purple film-coat

Tecentriq:膀胱癌の新薬

一般名Generic Name: アテゾリズマブatezolizumab

承認日Date of Approval:2016年5月18日

開発元:ジェネンテック社

尿路上皮癌Urothelial Carcinomaの治療薬

FDAがTecentriq (atezolizumab)の迅速承認accelerated approvalを認可しました。同薬は進行性または転移性の尿路上皮癌の治療に用いるPD-L1(programmed death-ligand 1)遮断抗体blocking antibodyです。尿路上皮癌は膀胱癌bladder cancerの最も一般的なタイプであり、腎盂renal pelvisや尿管ureterおよび尿道urethraでも確認されます

Tecentriqは免疫機能に働きかけて膀胱癌を治療する医薬品ですTecentriq is a medicine that may treat your bladder cancer by working with your immune system. 免疫系が正常な臓器や組織を攻撃してしまうリスクがあります。

この問題はときに致命的なものとなります。


以下の症状などが生じた場合には、すぐに医師に連絡する必要があります。

 呼吸器系疾患Lung problems (肺炎pneumonitis). 肺炎の兆候や症状を含む:

o 咳の発生又は悪化

o 息切れ

o 胸痛

 肝機能障害Liver problems (肝炎hepatitis)。次の兆候と症状を含む:

o 皮膚の黄染(黄疸)yellowing of your skin

o 重度の吐き気、嘔吐

o 右腹部の痛み

o 眠気drowsiness

o 尿の暗色化dark urine

o 出血しやすくなる

o 強い空腹感


Zykadia(ceritinib;セリチニブ):転移性非小細胞肺がんの画期的新薬

末期(転移性)の非小細胞肺がん( non-small cell lung cancer)に対する治療薬として、Zykadia(ceritinib)がFDAにより承認されました。

Zykadiaは未分化リンパ腫リン酸酸化酵素(anaplastic lymphoma kinase ;ALK)チロシンキナーゼ阻害剤であり、がん細胞の増殖を促進させるタンパク質を阻害します。crizotinib投与歴のある転移性ALK陽性NSCLCLが適応症です。crizotinibはZykadia以外で唯一の承認済みALKチロシンキナーゼ阻害剤です。

肺がんはがん関連の主要な死亡原因であり、毎年22万人の米国人が肺がんと診断され、15万人が肺がんにより死亡します。肺がんの85%はNSCLCであるため、これが肺がんの最も一般的なタイプです。しかし、そのうちALK陽性の患者はたったの2~7%です。


zykadiaは画期的新薬として認定された第4の医薬品です。2014年8月24日の処方箋薬ユーザーフィー期限日(FDAによる薬剤申請審査の完了予定日)よりも4ヶ月早い段階で承認されました。FDAはZykadiaに対してピカ新、優先審査、オーファンドラッグの指定を認めました。同薬は既存薬よりも非常に有効であり、重症患者に対する治療の有効性と安全性を大きく向上させるという予備臨床エビデンスがスポンサーにより示されたことと、難病を対象とすることが今回の成功の鍵となりました。


FDAは優先審査プログラム下でZykadiaを承認しました。Zykadiaの安全性と有効性は転移性ALK陽性NSCLC患者163命を対象とした臨床試験により確立しました。被験者の半数で腫瘍が縮小し、その効果は約7ヶ月持続することが結果により明らかになりました。同薬の一般的な副作用は、下痢や嘔吐、腹痛などの消化管症状でした。また、肝酵素や膵酵素の増加やグルコース値の上昇などの検査所見異常も確認されました。

Imbruvica (ibrutinib):慢性リンパ性白血病への適応拡大


FDAは本日、治療歴のある慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia )を対象としたImbruvica (ibrutinib)の使用を認可しました。



慢性リンパ性白血病は骨髄疾患であり、通常は長期間にわたり少しずつ悪化し、骨髄由来リンパ球(B細胞)という白血球の漸増をもたらします。アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute )の報告によれば、2013年には15,680人のアメリカ人が同疾患と診断され、4,580人が死亡しています。



Imbruvicaはがん細胞の増殖を促す酵素を阻害することで作用を発揮します。2013年11月にFDAは、治療歴のある患者に使用することを条件に、血液既成組織の悪性腫瘍である非ホジキンリンパ腫(mantle cell lymphoma)の治療薬としてImbruvicaの迅速承認(accelerated approval )を認可しました。



「本日の承認は、以前に治療を受けたにもかかわらずがんが進行している慢性リンパ性白血病患者に対して、重要な治療オプションを与えることになります。FDAは迅速承認プロセス下でImbruviaの審査を完了しました。同プロセスは、同薬を患者に早く届ける上で重要な役割を果たしました」と、FDAの血液学&腫瘍学医薬品オフィス(Office of Hematology and Oncology Products)の最高責任者Richard Pazdurは話します。



慢性リンパ性白血病を適応症とするImbruvicaの迅速承認は、治療歴のある参加者48名を対象とした臨床試験結果に基づきます。平均で、参加者は試験前の6.7年前に慢性リンパ性白血病と診断され、4つの治療法を受けていました。全参加者が副作用発現または症状の悪化が生じるまで420mgのImbruvicaを服用し続けました。結果、参加者の58%で治療後に癌が縮小しました。試験実施中の奏効期間(duration of response)は5.6~24.2ヵ月でした。生存率や疾患関連の症状が改善するかどうかは明らかになりませんでした。



試験中に確認された一般的な副作用は、血小板の減少や下痢、好中球減少(neutropenia)、赤血球減少(貧血)、上気道感染、倦怠感、筋肉痛、発熱、便秘、末梢性浮腫(peripheral edema)、嘔気、口内炎などでした。



Imbruvicaはカリフォルニアに本社を置く製薬会社『Sunnyvale』により製造されます。

第3相臨床試験中のイクサゾミブIxazomibについて

Ixazomib (MLN9708)は多発性骨髄腫multiple myelomaALアミロイドーシスAL amyloidosis、および他の悪性腫瘍malignanciesを対象に調査されているプロテアソーム阻害薬(経口の治験薬)であり、米国と欧州では2011年に多発性骨髄腫、2012年にはALアミロイドーシスにおけるオーファンドラッグ指定を受けました。Ixazomib2014年にFDDAから再発性または難治性のALアミロイドーシスrelapsed or refractory AL amyloidosisのブレークスルー・セラピーBreakthrough Therapyとして認められました。また、同薬は第3相臨床試験に入った初の経口のプロテアソーム阻害薬です。

Ixazomibの臨床開発プログラムは、多発性骨髄腫を呈する世界中の人々と、彼らを治療する医療従事者を対象とした画期的な治療法を開発しようとする武田薬品の方針をさらに強化します。5件の世界的な第3相臨床試験が進行中ですFive global Phase 3 trials are ongoing:

TOURMALINE-MM1, 再発性および/または難治性多発性骨髄腫を対象に、レナリドマイドlenalidomideとデキサメタゾンとの併用で、ixazomib placeboを比較。 in combination with lenalidomide and dexamethasone in relapsed and/or refractory multiple myeloma

TOURMALINE-MM2, 新規診断の多発性骨髄腫を呈する患者を対象に、レナリドマイドとデキサメタゾンとの併用で、ixazomib とプラセボplaceboを比較。in combination with lenalidomide and dexamethasone in patients with newly diagnosed multiple myeloma

TOURMALINE-MM3, 自家幹細胞移植autologous stem cell transplant (ASCT)と寛解導入療法induction therapy 後の新規診断多発性骨髄腫を呈する患者に対する維持療法としてイクサゾミブ対プラセボを比較

TOURMALINE-MM4, ASCTを受けず、多発性骨髄腫と新規に診断された患者に対する維持療法としてイクサゾミブ対プラセボを比較。

TOURMALINE-AL1, 再発性または難治性ALアミロイドーシスを呈する患者に対する、イクサゾミブ+デキサメタゾン対 医師によって選択された治療法の比較。

現在実施中の第3相臨床試験の詳細に関してはwww.clinicaltrials.govを御覧ください。

Pazopanib:加齢黄斑変性に対する初の経口薬候補

加齢黄斑変性(age-related macular degeneration)に対する経口薬pazopanibの1日15㎎投与は、視力改善(improvement in vision)などをもたらすことが、2件の臨床試験により明らかになりました。



加齢黄斑変性による失明のほとんどは、網膜における血管新生に関連していることがわかりました。心血管形成(new blood vessel formation )を阻害する薬剤治療は有効ですが、眼に注入しなければならないという欠点があります。Pazopanibは経口により血管形成を阻害できる新しい薬剤です。



臨床試験には72名の健常者と15名の加齢黄斑変性症患者が参加しました。健常者には5~30㎎の経口Pazopanibを連日投与し、加齢黄斑変性症患者には15㎎のPazopanibを毎日投与しました。



まだフェーズⅠを終えたばかりですが、今後の進展に期待したいです。




そして試験結果により、経口Pazopanibは忍容性が高く、視力改善をもたらすことが明らかになりました。

Poxel社の抗糖尿病薬『Imeglimin』

2型糖尿病に対する治験薬『 Imeglimin』はグルコースに反応してインスリン分泌を亢進させることが明らかになりました。 Imegliminは2型糖尿病の影響を受ける3つの主要器官(膵臓、肝臓、筋肉)に直接作用します。このメカニズムは現在利用可能な糖尿病治療薬には見られないものです。




 最大分泌脳を評価するために高血糖クランプ法を用いて、糖尿病患者におけるグルコース応答性インスリン分泌( glucose-stimulated insulin secretion)に対する Imegliminの影響を確認することが、Poxel社の目的でした。この臨床薬理学(clinical pharmacology )的試験は無作為二重盲検プラセボ対照試験であり、Imeglimin治療後のインスリン分泌を調査したものです。そして、Imegliminは一次および二次エンドポイントに達し、グルコース応答性インスリンの曲線下面積と、Cペプチドおよびプロインスリン((iAUC0-45min C-peptide, iAUC0-45min proinsulin)応答の曲線下面積の有意な増加が確認されました。




 膵ベータ細胞(pancreatic beta cell)のグルコース感知(glucose sensing )を改善させることで、グルコース応答性インスリン分泌量を増やしてグルコース作用を低下させるので、Imegliminは非常に有望な新薬候補です。全臨床試験で示された肝臓と筋肉に対するImegliminの作用を考慮すると、同薬のこの独特のメカニズムは、2型糖尿病の根底にある病理に対処するための新しい方法を示しています。

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