医学

小児科学 英訳サンプル



【目的】ロービジョン(以下、LV)外来を受診した小児の背景、ニーズ、LVケアの内容について検討した。
[Purpose] To examine the background, needs and details of Low Vision (hereinafter LV) care in children who visited for LV consultation as outpatients.


【対象と方法】2000年9月から2014年4月末までにLV外来を受診した小児73名(男児42名、女児31名、平均年齢7.3±3.8歳)を対象とした。ニーズを聴取し、それに対応してLVケアを行なった。視覚障害の原因疾患、視機能の状態、ニーズ、LVケアの内容(情報提供、指導、処方)を診療録より後ろ向きに調査した。
[Target and Methods] 73 children (Boys 42, girls 31, average age 7.3 ± 3.8 years) were examined from September 2000 to April 2014. Suitable LV care was provided after listening to their needs. The causative disease for impaired vision, needs, details of LV care (information provided, guidance and prescription) were retrospectively examined from the medical records.


【結果】視覚障害の原因疾患は、黄斑低形成、先天白内障、未熟児網膜症が各6例(8.2%)、視神経低形成、網膜色素変性が各5例(6.8%)先天眼振が4例(5.5%)、家族性滲出性硝子体網膜症、網膜萎縮、先天緑内障、脳腫瘍、視神経萎縮が各3例(4.1%)、レーベル先天黒内障、その他が35例(47.9%)であった。よい方の視力は0.1~0.3が24例(32.9%)で最も多かった。ニーズは就学が35件(47.9%)、読書が17件(23.3%)、羞明が16件(21.9%)、学校生活が14件(19.2%)、視機能の評価が7件(9.6%)、遠見、歩行が各6件(8.2%)、書字が5件(6.8%)、その他が20件(27.4%)であった。LVケアの内容では、情報提供は視覚障害児教育事情が33件(45.2%)、拡大教科書が31件(42.5%)、遮光眼鏡が27件(37.0%)の順であった。指導は拡大読書器が23件(31.5%)、単眼鏡が16件(21.9%)、i-Padが15件(20.5%)の順であり、i-Pad指導のうち5件は専門家による中間型アウトリーチ支援を行なった。処方は遠用遮光眼鏡が22件(30.1%)、遠用眼鏡が13件(17.8%)、単眼鏡と近用拡大鏡が各12件(16.4%)の順であった。
[Results] The causative diseases for impaired vision were macular hypoplasia, congenital cataract and retinopathy of prematurity: each 6 cases (8.2%), optic nerve hypoplasia and retinitis pigmentosa: each 5 cases (6.8%), congenital nystagmus: 4 cases (5.5%), familial exudative vitreoretinopathy, retinal atrophy, congenital glaucoma, brain tumor and optic nerve atrophy: each 3 cases (4.1%), Leber's congenital amaurosis and others: 35 cases (47.9%). Better visual acuity of 0.1 to 0.3 was observed in 24 cases (32.9%) and was the highest. Needs were, school enrollment: 35 cases (47.9%), reading: 17 cases (23.3%), photophobia: 16 cases (21.9%), school life: 14 cases (19.2%), evaluation of visual performance: 7 cases (9.6%), distance vision and walking: each 6 cases (8.2%), writing: 5 cases (6.8%) and others: 20 cases (27.4%). The information provided on the details of LV care were in the order of education for visually impaired children: 33 cases (45.2%), large print textbooks: 31 cases (42.5%) and sun glasses: 27 cases (37.0%). Guidance given was in the order of magnifying reading device: 23 cases (31.5%), monocle: 16 cases (21.9%) and i-Pad: 15 cases (20.5%), interim outreach support by a specialist was provided for 5 out of the cases who were given i-Pad. Prescription given was in the order of sun glasses for far vision: 22 cases (30.1%), spectacles for far vision: 13 cases (17.8%), and monocle and near vision magnifying glasses: each 12 cases (16.4%).


【結論】LV外来を受診した小児のニーズは様々であり、多様な対応が求められる。
[Conclusion] The needs of children who visited for LV consultation as outpatients are varied and they require different types of support.

自殺願望の強さを示す『SAT1バイオマーカー』

 ジャーナル誌Molecular Psychiatryに掲載されたある研究で、3年以上に及ぶコホート試験に参加した双極性障害(bipolar disorder)の男性患者が分析されました。





 Indiana University School of Medicine所属の精神科医と他の研究員が患者に対して一連のインタビューを行いました。



 試験開始時、およびその後3回の来院時にインタビューを行い、3週および6ヵ月毎に血液採取も行いました。




 患者の来院時には毎回、ハミルトン
うつ病評価尺度(Hamilton Rating Scale for Depression-17)を用いて精神医学的スコアの採点を行いました。この尺度には、自殺感情レベルを判断するための自殺念慮(suicidal ideation)率が含まれます。そしてその後、被験者から血液を採取しました。




 「
自殺念慮の無い状態」から「自殺願望の強い状態」への劇的な変化を報告した被験者の血液を対象に、研究者が分析を行ったところ、強い自殺感情を経験したことのある患者と、自殺感情の弱い人々との間には、有意な遺伝的差異があることがわかりました。



 マーカー『SAT1』は自殺思考に関連した強い生物学的シグナルであることが明らかになり、さらに、自殺者の血液サンプルの分析では、
複数の同一マーカーの値が上昇していることがわかりました。他の2つの患者グループから得た血液テスト結果の分析では、これらの特定のバイオマーカーが「将来の自殺関連入院」と「血液テスト前の自殺関連入院」に結び付くことがわかりました。




 自殺は精神医学的な問題であり、民間人と軍人にとっての大きな問題ですが、その客観的マーカーは今まで存在しませんでした。




 尋ねられても自殺感情があることを言わず、実際に命を絶ってしまう人がいます。そのため、このような悲劇が起こる前にその前兆を特定して防止するためのより良い方法を模索する必要があります。




 自殺行為と自殺のCDC統計によれば、米国では2010年に前者が713,000件、後者が38,364件発生しています。




 自殺は複雑です。なぜなら、
精神障害や中毒を原因とする事例に加えて、生活に対する満足感の欠如や、将来への悲観、周りから必要とされていないという感情、自殺を選択肢の一つと捉える文化的要因などに関連した事例があるからです。

Gilead社がLedipasvir/Sofosbuvir混合薬のFDA優先審査指定を発表

Gilead Sciences社は7日、遺伝子Ⅰ型の慢性C型肝炎ウイルス感染症の成人患者を対象としたNS5A阻害薬ledipasvir (LDV)90mgと核酸アナログ・ポリメラーゼ阻害薬sofosbuvir (SOF)400mgの週1回投与型混合薬に関して、FDAから優先審査の適用許可を得たと発表しました。Gilead社は2014年2月10日にLDV/SOFのNDA(優先審査申請)を提出し、FDAはPrescription Drug User Fee Actに基づいて2014年10月10日の実施予定日を設定していました。

また、FDAはLDV/SOFをピカ新(画期的な治療薬)に指定しました。FDAは既存薬よりも優れたものになり得る治験薬に対して、ピカ新としての認定と優先審査の適用を行います。NDAプロセスで提出されたデータはフェーズ3試験(ION-1、ION-2、ION-3)で得られたものであり、遺伝子Ⅰ型HCV感染症の成人患者におけるLDV/SOF使用を支持するものです(8~12週間の治療期間は患者の過去の治療歴などにより異なる)。米国におけるHCV患者の75%は遺伝子Ⅰ型のウイルス株に感染しています。




LDV/SOFの販売承認申請書はEUでも審査中であり、2014年3月27日にはEuropean Medicines Agencyが同薬の販売を許可しています。同機関はGilead社によるLDV/SOFの優先評価要請を受理していました。この優先評価は医療ニーズの高い新薬に認められるものです。これにより同薬に対するEMAの審査期間が2か月短縮しましたが、これはCommittee for Medicinal Products for Human Useからの良好な意見や、European Commissionからの認可を保証するものではありません。

LDV/SOFは治験薬であり、その安全性と有効性が確立していません。

単剤投与型のSOFは2013年12月6日にSovaldi®の商標でFDAにより承認されており、2014年1月17日には欧州委員会により承認されています。



Gilead Sciences社について

同社はアンメット・メディカルニーズ領域の革新的な治療薬を発見、開発および商品化することを目的としたバイオ医薬品会社であり、カリフォルニア州フォスターシティを拠点に北米、南米、欧州、アジア・太平洋エリアで活動しています。

Biogen IdecとSobiが ELOCTATE(血友病A治療薬)のフェーズ3小児試験結果を発表

Biogen Idec社とSwedish Orphan Biovitrum AB 社は本日、Kids A-LONG Phase 3臨床試験におけるELOCTATE™の安全性と有効性の評価で良好な結果を得たことを発表しました。この治験薬は重度の血友病A小児患者を対象とした遺伝子組み換え第VIII因子/Fc融合蛋白質製剤です。ELOCTATEは忍容性が高く、同薬の活性を低下させる中和抗体(neutralizing antibodies )を含みません。有効性の分析では週2回の予防的な ELOCTATE 投与が子供の出血率を低下させることが明らかになりました。


Kids A-LONGは、12歳未満の血友病患者を対象に長期作用型の治療薬を評価する初の試験です。ELOCTATEはFc融合と呼ばれるプロセスを用いて開発されたもので、体内に注入した血液凝固因子の循環時間を延長させるようデザインされています。同試験が成功に終わったことは、欧州における医薬品承認取得に向けた重要なステップです。European Medicines Agency (欧州医薬品庁)は新しい血友病治療薬に対して小児試験データの提出を条件としています。


Kids A-LONG では重度の血友病Aを患う耐用性良好な12歳未満の子供を対象に、ELOCTATEの安全性と有効性、および薬物動態(薬剤が体内に残存する時間など)を調査しました。同試験の主要エンドポイントは阻害因子(中和抗体)の生成率を評価することにありましたが、阻害因子は検出されませんでした。副次エンドポイントは年間出血率(annualized bleeding rates )や、出血を抑えるための注入回数などでした。


同試験で確認された、重度の血友病A小児患者における半減期のわずかな相対的延長は、成人を対象とした A-LONG試験における半減期の1.5倍延長と一致しました。ELOCTATEの予防的投与を受けた子供では年間出血率が2.0、突発性出血の回数が0.0でした。出血回数の93%はELOCTATEの2、3回投与で抑えることができました。Kids A-LONG 試験の追加分析が実行中であり、同社は今後の科学会議で結果の詳細を提示する予定です。

ピルフェニドン(突発性肺繊維症)のNDA再提出

InterMune社は5月27日、2010年5月に受理したComplete Response Letter (CRL)への対応として、ピルフェニドンpirfenidoneのNDAを再提出したと発表しました。ピルフェニドンは突発性肺繊維症 idiopathic pulmonary fibrosis (IPF)の成人患者を治療するために開発されている薬です。


「ピルフェニドンのNDAを提出できて安心しています。再提出を達成させるための最後のステップは円滑かつ効率的に行うことができ、予定よりも早くプロセスを完了させることができました。FDAが6ヶ月以内に承認を認めれてくれれば、2015年上半期までにはピルフェニドンを発売できると思います」と、InterMuneの社長でドイツ人のDan Welchは述べています。処方薬ユーザーフィー法の下で、FDAはNDA受理後74日間のうちに提出内容の評価を行います。この期間のうちにFDAが提出内容の妥当性を認めれば、FDAにより受理された再提出の日付が審査会開始日となります。


ピルフェニドンについて


ピルフェニドンは TGF-βの合成を阻害する経口の抗繊維化剤(anti-fibrotic agent)です。TGF-βは化学伝達物質であり、細胞の増殖や分化などのさまざまな機能を制御し、繊維形成で重要な役割を果たします。さらにピルフェニドンは、炎症で重要な役割を果たすことで知られるサイトカイン『TNF-α』の合成も阻害します。


2011年2月28日、European Commission (EC)は中等度から重度のIPFに対する治療薬としてEsbriet® (pirfenidone) の販売権を認めました。これにより、EU28ヵ国でEsbrietが承認されました。また、ノルウェーやアイスランドでの承認も続き、2011年にはInterMuneがドイツでピルフェニドンをEsbrietの商品名で発売しました。現在、Esbrietはフランスやイタリア、イギリスなどの重要な市場で入手することができます。


ピルフェニドンは2008年より日本、2012年より韓国で販売されています。さまざまな商品名をもつ同薬は中国、インド、メキシコなどでIPFに対する医薬品として活躍しています。


米国での販売は認められていません。

失明の新治療法:マイクロRNAを用いて網膜血管細胞の異常増殖を阻害

ヒトの眼疾患に対する新しい治療法が、全臨床試験で良好な結果を出しました。これに関する論文は『Journal of Clinical Investigation』に掲載されています。




カリフォルニア
Scripps Research InstituteとカナダのMount Sinai病院、およびカリフォルニア大学の研究チームは、今回の結果が失明を防ぐ新治療法をもたらすかもしれないと話しています。




糖尿病性
網膜症( diabetic retinopathy)や黄斑変性( macular degeneration)などの多くの失明のタイプは、眼球の奥にある網膜の血管異常形成に関連していると、研究員は説明します。網膜は血管および光感受性細胞(light-sensing cells)から成る軟部組織の薄い層(thin layer of soft tissue )です。




疾患管理予防センター
( Centers for Disease Control and Prevention)によれば、米国では50歳以上のうち160万人が黄斑変性症を患っており、世界中では18歳以上のうち530万人以上が糖尿病性網膜症を呈しているため、これらの疾患に対する治療法の確率は喫緊の課題です。




VEGF
は血管の異常増殖をもたらす



過去
10年間で多くの試験では、網膜血管の異常な増大がどのようにして止められるのかを判断するために、血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor VEGF)と呼ばれる分子に着目してきました。



研究者の説明によると、体がわずかなを酸素を感知すると、
VEGFが誘発されます。眼の血管が高濃度のVEGFを感知すると、より多くの誘発をもたらします。




さらに、血管増殖を促進させる
VEGFと他の分子は、血管新生の前に刺激されるRasと呼ばれる遺伝子を活性化させます。この情報に基づくと、VEGFを止めることができれば、失明を治療できることになります。




しかし、
TSRIの研究チームは昨年、正常な視力を維持する上でVEGFが重要な役割を果たすことを明らかにしました。そのため、VEGFを阻害した場合には、眼の光感受性細胞が死んでしまい、重度の視力障害をもたらす可能性があります。




今回の発見により、次の課題は異常な血管新生を防ぐ方法を見つけ出すことになりました。そして、
UCSD病理学部の David Cheresh らはmicroRNA(マイクロRNA)がこのカギを握っている可能性を見出しました。




microRNA
が血管細胞増殖を標的とする




マウスを用いて理論を検証した結果、遺伝子活性化
( gene activation )および発現を調節することで知られるRNAの小片『マイクロRNA』は、VEGF作用経路の下流地点で心血管形成(neovascularization)を標的とし、Ras活性化を防ぐために使用できる可能性があることがわかりました。




マイクロ
RNAは眼の正常な血管状態を維持しながら異常な血管形成を阻害できるかもしれないのです。

スフィンゴリピドーシスsphingolipidosis

 糖と結合した脂質セラミド(ceramide)であるsphingolipidが、その分解に関与するライソゾーム酵素の遺伝的欠損により、分解過程にある脂質が沈着する疾患群。
1。ゴーシェ病morbus Gaucher 〔1882〕
   glucosylceramide β-glucosidase活性低下〔優性遺伝〕により網内系〔肝・造血器〕にglycosylceramideが沈着。組織学的にGaucher細胞をみる。白血球・培養線維芽細胞中に上記酵素低下。皮膚症状[出血傾向・びまん性色素沈着]は少ない。肝脾腫・リンパ節腫脹・貧血・骨痛・骨変形あり。成人型は徐々に発生、幼児型は急激で神経症状〔項部強直・筋緊張上昇・カタトニー・喉頭スパスムス〕が強く若年者を侵し予後不良。
2。ニーマン・ピック病morbus Niemann-Pick〔1914〕
 sphingomyelinase活性低下による sphingomyelin沈着症〔諸臓器の組織球・マクロファージ中に:Niemann-Pick細胞〕。遺伝性でユダヤ人の小児に多い。急速に肝牌腫・腹水・リンパ節腫脹が生じ、皮膚は黄褐色調を呈し発汗が大、聾盲をしばしば伴い、身体知能発育不全あり。予後不良〔2歳以下に死亡〕。
3。ファブリー病Fabry's disease、 びまん性体幹被角血管腫angiokeratoma corporis diffusum[Fabry 1898]
 先天性a-galactosidase欠損症で伴性劣性遺伝〔男性のみ〕、 ceramide trihexosideが血管壁その他に沈着する。幼児期は神経症状や発熱が主であるが、次第に全身特に腹腰部を中心に多数の毛細血管拡張性小丘疹を生じ、腎不全・脳血管損傷・心不全・呼吸困難等で40歳頃までに死亡することが多い。その他無汗症・多汗症・温冷による四肢疼痛発作・尿変化〔低張尿・顆粒細胞(mulberry cell)の出現〕など。白血球中のa-galactosidase測定、細隙灯で角膜混濁〔患者および女性保因者に〕。

続発性黄色腫症、局所脂質代謝異常症

続発性(または全身性)黄色腫症secondary (or systemic)xanthomatosis
 基礎疾患があり、そのために血清脂質〔コレステロール・トリグリセライド〕が上昇し〔続発性高脂蛋白症 (secondary hyperlipoproteinemia)]、黄色腫を続発するのをいう。このときは発疹型[ときに丘疹結節型]をとることが多く、四肢伸側特に関節背面に好発する。基礎疾患として次のものがある。
 肝疾患:原発性胆汁性肝硬変・先天性胆管閉鎖・術後胆管閉鎖・ヘモクロマトーシス。黄色腫発生に先立ち皮膚 痒症・黄疸・色素沈着などがある。胆管性黄色腫症(biliary xanthomatosis)。燐脂質・コレステロール上昇、トリグリセライド正常、カイロミクロンなし。血清清澄。
 腎疾患:リポイドネフローシス。カイロミクロンあり。
 膵疾患:慢性膵炎。
 全身性代謝疾患:糖尿病・粘液腫・von Gierke病・Lawrence-Seip症候群。
 〔組織所見〕初期には好中球・リンパ球・組織球の炎症反応で、やがて脂質を貪食し泡沫状外観を示す組織球の密な浸潤となる。この細胞を泡沫細胞(foam cell、 Schaumzelle)または黄色腫細胞(xanthoma cell)と呼び、これに異物巨細胞およびツートン型巨細胞(Touton giant cell) [核が中央に王冠状に集まり、まわりに原形質、そのまわりに泡沫状物質〕が混ずる。古いものは線維化する。
 〔治療〕①血清を検べて型を分け、心臓血管系の検査。②減脂食、③単発または小さいものなら切除・ヘパリン局注、③脱コレステロール剤、④続発性のものは原病の治療。
局所脂質代謝異常症
血清脂質値は正常で、局所代謝異常により生ずる。
○眼険黄色腫xanthoma palpebrarum
 〔同義語〕眼瞼黄板症(xanthelasma palpebrarum)
 〔症状〕主として中年女子の上眼瞼中枢側の、対側性ときに片側性に、黄白色の扁平に隆起した小豆大の局面。より大きくなり、下眼瞼にまで及ぶことがある。自覚症状はない。
〔組織所見〕他の黄色腫に準ずるが、巨細胞は少なく、線維化傾向も低い。
[鑑別診断]血清脂質を測り、家族性高コ血性黄色腫を鑑別する。
〔治療〕切除、ヘパリン局注。
 正脂血性扁平黄色腫normolipemic plane xanthoma : 各種皮膚疾患の皮疹部に黄色腫
 [限局性扁平]の生ずることがある。菌状息肉症・日光皮膚炎・光線性類細網症・紅皮症・慢性萎縮性肢端皮膚炎など。この際しばしばステロイド外用一日光照射などが誘因となる。先行病変なく、全身に汎発することもある。眼瞼黄色腫を合併することも少なくない。

GPR30は有望な治療標的

乳癌は女性に最も多い悪性腫瘍であるため(癌発症件数の23%)、世界的に重大な健康問題となっている[73]。エストロゲンはER()患者の約3分の2で乳癌の進行を促進するため[7475]、タモキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)の中には、既知のERへのエストロゲン結合を抑えるために臨床的に使用されているものがある。この治療法はER()乳癌の進行を遅らせる上で効果的であるが、ER()乳癌患者の約25%は抗エストロゲン療法に応答しないため[76]、エストロゲンが既知のER以外の受容体経由で細胞増殖を促進する可能性を考慮すると、既知のERのみの遮断では、エストロゲン誘発性の乳癌細胞増殖を根絶することはできないのかもしれない。そして、ERαおよびERβとは異なる構造および機能を持つ3つ目の特異的ERとしてのGPR30発見が、この仮定をさらに裏付けている。そのため、GPR30がエストロゲンへの高い結合親和性だけでなく、タモキシフェンやICI182,780などのSERMに対する高い結合能も有しているということと、エストロゲンとSERMが拮抗作用なしでGPR30作用を促進するというこれらの重大な事実によって[20]、エストロゲン関連癌進行の新しいメカニズムや、抗エストロゲン療法の新規標的が誕生するかもしれない。GPR30と既知のERの両方に作用する拮抗薬が、良好な治療結果をもたらす可能性がある。


 

薬剤耐性が癌治療の大きな課題であり、最近実施された2つの研究では、GPR30がこの耐性に関与している可能性が明らかとなった。また、エストロゲンとICI182,780GPR30-MAPKシグナル伝達経路を通して、シグナル伝達ネットワークとトランスフォーミング増殖因子(TGF)βの機能を阻害したとKleuserらは報告している。そして、TGF-βシグナル伝達の下方制御は、乳癌対象の抗エストロゲン治療への耐性に関与していると考えられ[65]、さらにビスフェノールA関連の化学療法耐性は、乳癌細胞株T47D(ER/GPR30)およびMDA-MB-468(ER-/GPR30)GPR30に関連し、環境的に妥当な用量のビスフェノールAGPR30の活性化を通して、ドキソルビシンやシスプラチン、ビンブラスチンなどの化学療法剤の効果を低減することが確認された[66]

しかし、エストロゲン関連の癌療法におけるGPR30効果に関しては、その基本的メカニズムが依然として不明確であるため、GPR30作用を特異的に阻害する薬剤はまだ開発されていない。そのため、「GPR30は特定の癌進行に不可欠なものなのか」と「GPR30は抗エストロゲン療法および化学療法耐性の原因なのか」という疑問を解明することが重要となる。

GPR30標的遺伝子

c-fosCTGF2つのGPR30標的遺伝子であることが報告され、GPR30は乳癌[23]と子宮体癌[45]、卵巣癌[21]、および甲状腺癌[46]EGFR-MAPKシグナル伝達経路を通してエストロゲン誘発性c-fos発現を増強することが明らかとなった。この作用はERαと無関係であるが、卵巣癌ではERαの共役発現を必要とする[21]PandeyらはGPR30シグナル伝達による遺伝子発現の変化を調査し、ER()ヒト乳癌細胞ではエストロゲンまたはOHT誘発性のGPR30活性化が転写因子ネットワークを引き起こし、さらにCTGFがこの転写因子の標的である可能性を示した[47]。遺伝子発現に対するGPR30活性化誘発性作用の根本的なメカニズムは依然として不明である。


 

結論

エストロゲン関連の腫瘍発生および進行におけるGPR30の役割は、最近になってようやくその全体像が浮かび上がってきたところであるが、それに関する理解は急速に深まっている。そして、GPR30はエストロゲン誘導性の急激な非ゲノムシグナル伝達を促進するだけでなく、特定の遺伝子転写の調節も行うことが明らかとなっている。さらにGPR30の特異的アゴニストG-1以外には、周知のSERM(タモキシフェンやICI182,780)や環境エストロゲンなども、GPR30に結合して下流のシグナル伝達を活性化し、細胞の増殖、浸潤と転移、およびc-fosCTGFの発現を調節する。しかし、ERαの共役発現を必要とする卵巣癌以外のほとんどの癌では、GPR30介在作用が既知のER発現に関与していないため、GPR30活性化と下流のシグナル伝達系のメカニズムに関しては、さらに調査を続けていく必要がある。要するに既存の実験的エビデンスは、エストロゲン関連腫瘍の抗エストロゲン治療でGPR30を対象にする必要があるということと、GPR30がエストロゲン関連癌進行の有意な予測因子になるかもしれないということを示唆している。エストロゲン関連の癌におけるGPR30の役割を解明するためには、卓上および臨床研究を積み重ねていかなければならない。

GPR30は低い生存率の新規指標であり、細胞の遊走と浸潤、および転移に関与

細胞遊走は高度に統合された多段階プロセスであり、多細胞器官の発達と維持において中心的な役割を果たしている。たとえば傷害後の組織修復や胚発生に伴う形態形成においては、特定位置への細胞移動を正確に行う必要がある[69]。癌細胞の遊走は浸潤(隣接組織への指示、隣接組織の破壊)や時には転移(他の生体部位への直接的な移動、あるいは血液やリンパ液経由の移動)をもたらすことがあり、原発部位からの癌細胞の散らばりと新たなコロニー形成を可能にする[70]。ちなみに、癌を原因とする死亡総数の90%は、転移によるものである[71]。報告ではエストロゲンまたはOHTによるGPR30シグナル伝達の活性化が、ER()乳癌細胞のCTGF誘導経由で細胞遊走を促進し[47]、さらにGPR30は卵巣癌細胞の転移も仲介する[61]。前述の通り、アトラジンはGPR30-EGFR経路を通して増殖を亢進し[61]、卵巣癌細胞のEGFは細胞転移を促進する[60]。その上、子宮体癌細胞株KLEおよびRL95-2ではエストロゲンとG-1MMP生成を増強し、GPR30への作用を通して細胞浸潤を増進することが、Heらによって示されている[29]

GPR30は低い生存率の新規指標

上述した通り、GPR30の活性化は乳癌細胞の増殖と進行に影響を与えており、このことは臨床試験結果によって裏付けられている[30]。整復乳房形成術を受けた患者の乳癌腫361例、および正常乳房組織12例を対象とした免疫組織化学分析では、12例の正常組織すべてが、核酸染色なしの強い細胞質内GPR30染色パターンを示した一方で、ERとプロゲステロン受容体(PR)は核内にはっきりと現れていた。しかし、これらの受容体の発現レベルは腫瘍組織によって異なるため、40例の非浸潤性乳管癌では42%GPR30()63%ER()、そして45%PR()であった一方、321例の浸潤性乳管癌では62%GPR30()およびER()40%PR()であった。GPR30ERと強い相関関係にあることが確認された時には(P<0.05)、浸潤性腫瘍の43%ERGPR30の両方を発現していたが[30]HER-2/neu(ヒト上皮成長因子受容体2、乳癌の高い攻撃性をもたらすタンパク質)に反比例するERと違い[3072]GPR30HER-2/neuと腫瘍サイズ、および遠隔転移と正の相関を示した[30]。従ってこの結果は、乳癌に関わる低い生存率の予測因子として、GPR30を利用できる可能性を示唆している。さらに興味深いことにこの試験[30]では、既知のER()乳房腫瘍の約半数がGPR30発現を保持していた。そのため、この腫瘍(GPR30/ER)GPR30シグナル伝達経路を通してエストロゲンへの応答性を維持しているのかもしれない。乳癌患者(GPR30/ER)におけるこの割合を考慮すると、GPR30を標的とした抗エストロゲン治療が選択肢の一つになり得る。従って、ERGPR30の両方を持つ患者(GPR30/ER)にとっては、それらを標的とした抗エストロゲン療法が、単一の受容体を標的とした治療法よりも効果の高いものになる可能性がある。


 

子宮体癌のGPR30は、その高い発現レベルが癌の悪化と相関しているため、低い生存率の新規指標になると考えられている。Smith[59]GPR30ERPREGFR、およびKi-67(増殖マーカー)の発現を調査するために、47名の子宮体癌患者を対象にして免疫組織化学分析を実施した結果、GPR30発現はEGFR発現と正の相関関係にあるものの、PR発現との間は負の相関であることがわかり、さらにGPR30の過剰発現は、子宮筋層への広範な浸潤、高い病理学的悪性度、および攻撃性の高い組織学的亜型を呈する腫瘍で起こりやすいため、低い生存率に関連していることが明らかとなった[59]。また、50例の子宮内膜癌と30個の非癌標本を調査したHe[29]も同様の結果を報告しており、癌患者のGPR30発現は対照群のものと比較してアップレギュレートを強く受け、子宮内膜癌の病理学的悪性度の上昇に比例してGPR30過剰発現が増強することを見出している。さらに彼らは増殖および浸潤増大による子宮内膜癌進行へのGPR30シグナル伝達の関与も明らかにした[29]

要約すると、これら2つの一般的なエストロゲン関連癌、つまり乳癌と子宮体癌ではGPR30が腫瘍成長と転移進行に明確に関連しているため、これを低い生存率の指標として利用できる可能性がある。

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